2011年 第19回 SPring-8施設公開

SPring-8施設公開に行ってきました。

そもそもSPring-8なんて知らないよって方が多いので簡単な説明を引用してきました。

SPring-8とは、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。SPring-8では、この放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われています。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeV(80億電子ボルト)に由来しています。
 via http://www.spring8.or.jp/

犯罪捜査においては和歌山毒物カレー事件での毒物分析や警察庁長官狙撃事件の重要人物とされる巡査長のコートやメガネの付着物分析に使用された。
 via wikipedia

簡単に言うと放射光を使ってものを調べる施設です。

そのSPring-8を停止させ内部まで公開される日が今日でした。友人である中の人に案内してもらいました。

場所は兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1。敷地の一部は赤穂郡上郡町とたつの市をまたいでいるみたいです。最寄り駅は相生。ちょっとした小旅行ですね。相生駅から友人の車でSPring-8の有る場所まで移動します。

2011年 第19回 SPring-8施設公開

途中の交差点の名前がテクノ中央。なんだか面白い名前ですねw

現地に到着して、まず受付をします。受付で指名を記入するのは一般の人が許可なく入れない放射線管理区域に入る許可を得るためです。

まずは中央管理等から中央制御室へ。

2011年 第19回 SPring-8施設公開

ここで制御を行っており、画面にはどのビームラインがどういった状態であるかなどのステータスが表示されていました。カッチョイイ!!

2011年 第19回 SPring-8施設公開

蓄積リング棟内実験ホール1です。奥に行くと曲線になっていて、リングになっていることがわかるでしょうか。周長は約1.5kmもあります! 公開している日は中に入ることができます。

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最初の説明にもありましたが、電子を高速まで加速したものを曲げたところに放射光は発生します。リングとありますが正確には多角形(1箇所あたり約4度で装置は88台なので88角形かな?)となっていて、その角のところの曲がりで放射光が発生します。

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放射光の発生する角の延長上をビームラインと呼び、その先にユーザが実際に利用する部屋がならんでいます。ビームラインは62本あり、現在は50本稼働しているようです。

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それぞれのビームラインには利用エネルギー域や用途によって分かれています。ユーザは目的に合わせてビームラインを選び利用します。といっても誰でも使えるわけでは無く、利用者選定が行われ研究の内容によって選定され、一コマ8時間の枠で割り当てられていきます。

写真はBL04B1(ビームライン04のB1)です。目的は高温高圧、20-150keVで共用設備となっています。鉱石・宇宙などの研究が多いようです。

朝10時に大阪を出ましたがついたのは12時。すこしぐるっとまわってお腹がすいたので施設内の食堂で昼食です。

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ハンバーグ定食をチョイス。メニューも雰囲気も大学の食堂みたいです。

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エネルギーチャージも完了したところで再度蓄積リングに向かいます。今度は蓄積リングの内側にある加速器を見に地下道を抜けて行きます。

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入ったところにはSPring-8の動作簡易模型が展示されていました。

写真は電車(光)が曲がったところに波(放射光)が発生し、それを延長上で受ける(ビームライン)模型です。これはすごくわかりやすかったです。

ほかにもレールガンを使ってアルミホイル紙飛行機を飛ばす実験や波を大きくするための模型などが展示されていました。

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ここからは実際の加速器設備となります。

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青い物体が変更電磁石で、電子軌道を曲げるものです。1台あたり約4度、全部で88台あり、これが先の88角形? と書いたリング上の起動を形成する機器となります。この装置によって電子が曲がり、そのときに放射光が発生します。

手前の緑色のものは四極電磁石で、加速された電子がばらばらに広がらないようするいわゆるレンズ的な役目です。ただ光のレンズとは違い、水平・鉛直両方向同時には収束できません。縦と横の組み合わせて全体として縮める働きをさせます。

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これは六極電磁石で四極電磁石のレンズ作用から発生する収差を補正する機能を持っています。光のレンズでの色収差を補正する色消しレンズなどの効果となります。

このほかにビーム位置検出器や、ステアリング電磁石(電子ビームの位置を計測し、常に一定のところに放射光がでるようにその結果をもとに軌道修正する装置)がありました。

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アンジュレーターと呼ばれるもので磁場の向きが互い違いになるように並べた磁石列によって電子軌道を蛇行させます。普通の長さは4.5mで、長いものは25m。

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磁石で曲がるたびに、放射光がでるのでどんどん強めあってとても明るい光がでます。従来のX線光源の約1億倍です。

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電子が通る道は真空となっています。大気にぶつかるとその分エネルギーが分散、消費されるためです。

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放射光を扱うので放射線の区域となります。当然稼働中にはこの中に入ることができません。

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高圧電源ですが保護用のカバーが変色しているのがわかるでしょうか。放射線による影響です。

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電話は黒電話です。お金がないわけではありません。放射線の影響を一番受けにくいからという理由からです。

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その放射能を外に出さない壁(扉)はこの厚さ! すごく、厚いです……。

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中にあった19inchラックの様子。

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HP ProCurve E5406に24-port SFP x3と44G-PoE+/4G-SFP x1かな? ケーブルガイドはPANDUIT製。

ここからX線自由電子レーザー施設(XFEL)へ移動。

XFELとは、X線自由電子レーザー(X-ray Free Electron Laser)の略で、波長がX線(可視光よりも波長がとても短い)領域のレーザーです。 XFELは、物質を原子レベルの大きさで、かつ瞬時の動きを観察することができると考えられているまったく新しい「夢の光」です。 そのため基礎研究にとどまらず、広く国民の生活に有意義な影響を及ぼすような画期的な光源として期待されています。 そのような理由からXFEL計画は、我が国の科学技術を牽引する世界最高性能の研究・技術開発として、『国家基幹技術』に認定され、2010年度の完成を目指し、2006年から施設の建設が始まりました。 米国や欧州(ドイツ)においても同様の計画が進行中であり、日米欧の間で熾烈な競争が行われています。
 via http://xfel.riken.jp/

SPring-8の従来のX線光源の1億倍(と10億倍)でしたが、XFELはSPring8の10億倍、X線光源の10京倍で世界最高の明るさ!!! 明るい上に、原子の大きさと同じぐらい短い波長の光を生み出すため細かい構造(原子や分子の並び)までくっきり見えます。また発光時間が短いため一瞬の速い動きをとらえることができます。

2011年 第19回 SPring-8施設公開

加速管の断面です。

2011年 第19回 SPring-8施設公開

こちらのアンジュレーターの長さは80mもあるそうです。そしてSPring-8と違うのは磁石が電子を通る真空内にあるということです。真空内にあるためSPring-8内のものと比べ上下の磁石の幅をもっと狭めることができるそうです。

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空気の力(ホバー)で持ち上げてる機械。体験では人を載せて動かしていました。本来はパイプを支えるための石を動かすためのもののようです。子供には大人気なコーナーでした。

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XFELの光の道(予定)。XFELはまだユーザーに提供できるほどではなく、すべてが作られているわけではありません。

2011年 第19回 SPring-8施設公開

これはパーソナルキー盤といって鍵が全部刺さっていないとき(=中に人がいるとき)には動作させられない仕組みになっています。

加速器の置いてある部屋に入る時にキーを一人1本抜いて入り、出る時に返却します。加速器の運転を始めるときにはこのキーがすべて返却されている必要があります。この仕組みで中に人が居ないことを保障しています。

2011年 第19回 SPring-8施設公開

こっちもProCurveでした。HP ProCurve Switch 2510G-24かな? ケーブルガイドはパンドじゃなくてどこだっけかな、これ。あまり好きじゃないんよなぁ。こっちはファイバーがSX緑でLX黄色とわかりやすいなぁ。紫のUTPはちょっと無いけど……。

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スタンプ回収のため放射光普及棟(広報)へ移動。ここでも体験コーナーがいくつかあります。

宇宙線を可視化したもので、手を入れても通り抜けるのを見ることができます。

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霧箱と呼ばれるもので、霧を使ってα線とβ線、オージェ電子を可視化させるものです。

2011年 第19回 SPring-8施設公開

人口虹発生装置。プラスチックでできたビーズで屈折させて虹を人工的に作るものです。これは子供にもわかりやすく人気がありました。

2011年 第19回 SPring-8施設公開

ほかにはビームラインやアンジュレーターなど本日見て回った停止してないと見ることのできないものの模型が展示されています。またSPring-8を使った研究成果なども展示されています。

2011年 第19回 SPring-8施設公開

あと曲がるときに放射することを説明する画面があったのですが、パソコンがPC-9801 DXですw なつかしぃーーー!!!

そんなこんなでスタンプもすべて集めたため、入り口でアンケートに答え記念品をもらって帰りました。

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帰りに食べたお店「だるく亭」。かなりおすすめ。

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相生駅まで送ってもらいましたが、新快速が25分後しか来ませんw 各駅はさらに後! 新快速でのんびり2時間かけて帰りました。

2011年 第19回 SPring-8施設公開

専門的な知識がいる、専門的な人ばかり来ていると思っていたのですが9割は家族やカップルなど一般の方のようでした。確かに体験コーナーなどがあり、なんとなくでもどういったことをやっているのかがわかるかと思います。

今年は震災による原発の問題のことがあってか、放射能やガイガーカウンターなどの説明に力を入れているようでした。

滅多に入れるものではありませんし、貴重な体験もできますので来年是非行ってみてください。

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